風評被害

(旦那鴨)

 ところで田鴨さん、海外旅行の資金ためるってわけでもないんですけどね。インターネットの米注文、風評被害で半減しちゃった。どうしますかね。

(田鴨)

 ここしばらくはあきらめるしかないでしょう。残念ですが。世の中の人達の気持ちが変わるのを待つしかないです。


(旦那鴨)

 さっきの田鴨さんの解説はわかりやすかったですよ。宮城県の場合は被爆量が増えても、しょせん世界平均の自然被爆量に及ばないって話。納得できた。これは県内産の食べ物を食べた場合で試算してますよね。

(田鴨)

 そう、だから宮城県よりもさらに被爆量が低い地域に住んでいる人達が宮城米を食べたって、なお一層、放射能からの健康被害は考えられないんですけどね。

(旦那鴨)

 自分家の米も放射性物質の検査してもらいました。

(田鴨)

 なるほど、セシウムの値はかなり低いですね。私の試算では宮城県の米を40ベクレルに設定しましたが、旦那鴨さんのところの米は合計で3ベクレルだから、さらに問題無しと言ってよいかと思います。

(旦那鴨)

 それでも、放射能からの風評被害は避けられないんですね。

(田鴨)

 私も、いろいろ情報を聞いてますが、この際、理屈ではなく、セシウムの存在有無で判断する人か多いのでね。

自然放射性物質と人口放射性物質の違い

(主婦鴨)

 もう一つ怖がる理由があるよ。
 確かに今回事故で、宮城県の被爆量は世界平均に近づくだけと言っても、そもそも自然由来の放射性物質と原発ゆらいの人口放射性物質では健康に与える影響が違うって話を聞いたことがある。

(田鴨)

 確かに違う。

(主婦鴨)

 やっぱり違うの?

(田鴨)

 そもそも放射性セシウムって自然界には存在しないからね。放射性カリウムは自然界に普通にあるけど。

(主婦鴨)

 放射性セシウムは、放射性カリウムと違って健康に悪影響があるの?

(田鴨)

 悪影響があるかどうかは、やっぱり量の程度による。何が違うかと言えば、生物学的半減期が違う。

(主婦層)

 田鴨さん、前にも言ったでしょ、「生物学的半減期」みたいな難しい事で説明されると頭が混乱しちゃうよ。

(田鴨)

 失礼々、え~と、「生物学的半減期」とは、要は食べ物などに含まれる放射性セシウムを体に取り込んで、これが排出されるまでの時間のこと。
 正確には半減期なので取り込んだ量の半分になるまでの時間ですが、なんにしても、簡単言えば体の中のセシウムが無くなるまでの時間。

(主婦鴨)

 例えば今日のご飯に放射性物質セシウムが含まれていた。これが何日後に排出されるかという意味ね、私なんかお通じがいいから、次の日には・・・(*^^*)

(田鴨)

 お通じというか、食べた物が血となり、肉となる。そういった体の部位にセシウムが混入する。それが消費されて無くなるまでの時間のことで、お通じのように次の日というわけにはいかない。

(主婦鴨)

 じゃあどれくらいの時間?

(田鴨)

 体内に取り込まれたセシウムがほぼ99%排出されるのにだいたい1年半

(主婦鴨)

 え~1年半も体内に留まるの!

(田鴨)

 一応、そういう計算になる。この時間が自然由来の放射性カリウムと圧倒的に違う。

(主婦鴨)

 じゃあ、その間、ずっと体の中で放射線を発し続けているの?

(田鴨)

 そういうことになる。

(主婦鴨)

 だったら、やっぱり自然由来の放射性物質と原発由来の放射性物質とは、健康に与える影響が違うじゃん。

(田鴨)

 でもね、被爆量はシーベルトという単位を使っているでしょ。

(主婦鴨)

 そうだけど、それがなんなの?

(田鴨)

 次に農産物などに含まれる放射能はベクレルという単位を使っている。

(主婦鴨)

 なんか難しそうな話が始まりそう~

(田鴨)

 簡単に言います、ベクレルからシーベルトに換算するときは放射性物質が体内に留まる時間(生物学的半減期)も計算に入れてます。

 ということは?

(田鴨)

 ということは、原発事故後で増加する1ミリシーベルトも自然界から受ける被爆量の1ミリシーベルトも、やっぱり同じ被爆量の1ミリシーベルトという意味で、自然だから、原発だからという違いが無いということ。
確かにセシウムが体内に留まる時間は長いとしても、自然由来の放射性カリウムだって普通に食物に含まれてますからね。それで内部被爆してます、原初の昔から、ずっとそうです。

(主婦鴨)

 でも、やっぱり自然由来と原発由来では、その放射線の「質」に違いがあると思う。

(田鴨)

 どんな質の違い?

(主婦鴨)

 例えば、自然由来と違って原発由来では放射線の波長が違うというか何というか、そんな感じ。自然のリズムと違うから、体に悪影響与えそう。

(田鴨)

 そうなってくるとね、何とも言い難くなってくるけど、原発由来の放射性セシウムにしても、自然由来の放射性カリウムにしても、そこから出てくる放射線は同じベータ粒子で違い無し。

放射性ヨウ素はどうなった?

(主婦鴨)

 ところで、田鴨さん、さっきからセシウムの話ばっかりだけど、そう言えば、ヨウ素もあったよね。

(田鴨)

 原発事故直後は問題となった。ヨウ素は甲状腺に留まりやすく、チェルノブイリの事故では、これが原因で甲状腺癌が増えたと言われています。

(主婦鴨)

 じゃ~なんで、ヨウ素の話が出てこないの?

(田鴨)

 半減期が短いから。8日で半減期を迎える。

(主婦鴨)

 今はほとんど存在しないの?

(田鴨)

 本日(平成23年12月)で原発事故があってから、9ヶ月が経過しました。そっから計算すると、事故当初の1/2百億くらいに減っている。

(主婦鴨)

 ほとんどゼロね。

(田鴨)

 ゼロです。

(主婦鴨)

 でも、それは、原発事故の時に流れた出た放射性ヨウ素でしょ。現時点で流れ出ている放射性ヨウ素はどうなのよ。

(田鴨)

 今回事故で拡散した放射性物質は、ほとんどが3月中旬~下旬に飛散、その後、放射性物質はほとんど拡散していない。

(主婦鴨)

 あれから、もう9ヶ月が過ぎたのね。

(田鴨)

 一番、放射能物質が拡散したと言われるのが3月15日、この日、私は被災対応関係で現地入りし、雨に打たれて車を誘導してた。
 今考えると、あの時、雨と一緒に放射性物質も降り注いでいたと思うけど、そんなこと考える余裕もなかった。

(旦那鴨)

 あの頃ね、停電が続いて、石巻に支援米を運んでたな。

(主婦鴨)

 みんな必死だったよね。

(田鴨)

 涙、涙の日々でね、車誘導してたら、自衛隊とか警察とか、みんな敬礼してくれてね。緑の防寒着来ていたから、同業者と間違われたのかと思ったけど、後で考えると、あの状況だから、皆、敬礼せずにはいられなかったのかもしれない。



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